寒い家はもう嫌だ!失敗しない「暖かい家」は窓・断熱・気密で決まる
「注文住宅で暖かい家を建てたいけど、何から始めれば…?」と悩んでいませんか? 一級建築士でプレパパの私が、寒い家のデメリットから、失敗しない「窓・断熱・気密」の9つの秘訣まで、専門用語ゼロで優しく解説します。
はじめまして!一級建築士のHIITです。
「せっかく注文住宅を建てるんだから、絶対に暖かい家にしたい!」 家づくりを考える皆さん、きっとそう思っていますよね。
私自身、もうすぐ第一子が産まれる40歳のプレパパなので、そのお気持ち、すごくよく分かります。「冬でも足元がポカポカで、家族みんなが風邪を引かずに過ごせる家がいいな」と、日々考えています。
でも、情報が多すぎて、「断熱って?」「気密って何?」「窓が大事って本当?」と悩んでいませんか?
もし、営業マンの「今の家は暖かいですよ」という言葉だけを信じてしまうと、「住んでみたら足元がスースーする…」「暖房費が思ったより高い…」なんて後悔にも繋がりかねません。
この記事では、建設業界に17年いる一級建築士の私が、「確実に暖かい家にするための9つのポイント」を、「窓・断熱・気密」の3つのテーマに絞って分かりやすくお伝えします。
この記事を読めば、あなたが家づくりで「何を優先すべきか」がハッキリと分かり、自信を持って次のステップに進めるようになりますよ 😊
絶対に避けたい!「寒い家」がもたらす3つのデメリット
まず、なぜ「寒い家」を絶対に避けるべきなのか、そのデメリットを知っておきましょう。これは、家づくりで一番大切な部分です。
1. 家族の健康を脅かす「ヒートショック」 🏠
「ヒートショック」という言葉、聞いたことありますか? これは、暖かいリビングから寒い脱衣所やお風呂場へ移動したときの急激な温度差で、血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす現象です。
交通事故で亡くなる方より、このヒートショックで亡くなる方のほうが何倍も多いと言われています。特に高齢のご両親との同居を考えている場合や、これから産まれてくる小さなお子さんにとっても、家の中の温度差は本当に危険なんです。
2. 財布を直撃する「高い光熱費」 💰
寒い家は、例えるなら「穴の空いたバケツ」のようなもの。 いくら暖房で暖かい空気(水)を入れても、壁や窓の隙間からどんどん逃げていってしまいます。
結果、エアコンやヒーターを常にフルパワーで動かさないと暖まらず、毎月の電気代やガス代がどんどん高くなってしまうんです。「暖かい家に住みたいけど、節約のために我慢する…」なんてことになったら、本末転倒ですよね。
3. 日々の暮らしの「質」が下がる 😥
- 朝、寒くて布団から出られない…
- 足元が冷えて、家事や勉強に集中できない…
- 結露がひどくて、窓際がカビだらけ…
寒い家は、こうした日々の小さなストレスが積み重なります。私が以前、ご相談を受けたお宅でも「風邪を引きやすくなった」という声は多かったです。家族が健康で快適に暮らすために、家の「温度」はとても重要なんです。
暖かい家のキモ①:「窓」が暖かさの7割を決める
家の暖かさを考えるとき、一番重要なのが「窓」です。 実は、冬に家から逃げていく熱の約6〜7割は、窓からだと言われています。
ここをしっかり対策することが、暖かい家への一番の近道です。ポイントは3つあります。
1. サッシは「オール樹脂」または「ハイブリッド」を選ぼう
「サッシ」とは、窓ガラスの周りにある「枠」のこと。 まず絶対に避けたいのが、昔ながらの「オールアルミサッシ」です。アルミは熱をものすごく伝えやすいので、冬に窓枠に触るとヒヤッとするあの冷たさが、家の熱をどんどん奪っていきます。
そこで選びたいのが、次の2種類です。
- ① オール樹脂サッシ 一番のおすすめは、枠のすべてが樹脂でできている「オール樹脂サッシ」です。樹脂はアルミに比べて熱を伝えにくいため、外の冷たさが室内に伝わるのを防ぎ、結露も大幅に減らせます。断熱性を最優先するなら、これがベストです。
- ② ハイブリッドサッシ(アルミ樹脂複合サッシ) 「ハイブリッドサッシ」も強力な選択肢です。これは、外側(構造部分)に強度のあるアルミを使い、室内側(熱が伝わりやすい部分)に断熱性の高い樹脂を使った、まさに「良いとこ取り」のサッシです。 オール樹脂サッシに比べて、枠(フレーム)を細くできるため、大きな窓や特殊な形の窓など、デザインの幅が広がるのが大きなメリットですね。
断熱性重視なら「オール樹脂」、強度やデザインの自由度とのバランスを取りたいなら「ハイブリッド」と覚えておくと良いでしょう。
2. ガラスは「適材適所」で性能を選ぶ
今の新築では「ペアガラス(2枚重ねのガラス)」が標準ですが、暖かさを求めるなら「Low-E(ロウイー)ペアガラス」を最低ラインとして考えましょう。 これは、ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングしたもので、室内の暖房熱が外に逃げるのを防いでくれます。
さらに、予算とこだわりに合わせて、ガラスの性能を上げると効果絶大です。
- 基本:「Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)」 まずはこれを基本としましょう。ガラスとガラスの間に入っているのが、空気よりも熱を伝えにくい「アルゴンガス」だと、さらに断熱効果が高まりますよ。
- こだわりたい場所:「Low-Eトリプルガラス」 リビングの掃き出し窓のように、ガラスの面積がとても大きい窓には、「Low-Eトリプルガラス(3枚重ねのガラス)」を使うことを強くおすすめします。 確かにコストは上がりますが、家の中で一番熱が逃げやすい「大きな穴」をしっかり塞ぐことができるので、費用対効果は抜群です。
逆に、お風呂場やトイレの小さな窓まで全てトリプルガラスにすると、コストが一気に上がってしまいます。ガラス面積が小さいので、断熱効果も相対的に薄くなってしまうんですね。
「大きな窓はトリプル、小さな窓はペア」のように、適材適所で使い分けるのが、賢い選択だと私は思います。
3. 意外な落とし穴。「窓の数」と「配置」
どんなに高性能な窓でも、壁に比べれば熱は逃げやすいです。 「明るい家がいいから」と、むやみに窓を増やしすぎると、それだけ熱が逃げる場所を増やすことになり、寒い家になってしまいます。
特に、日当たりが期待できない北側や、夏の西日が強烈な西側の窓は、必要最低限にしましょう。逆に、冬の日差しをたっぷり取り込める南側の窓を大きく取るのは、暖房効率を上げるうえでとても有効です💡
暖かい家のキモ②:「断熱」は等級だけじゃ分からない
次に重要なのが「断熱」です。 これは、家全体をダウンジャケットのように高性能な断熱材でスッポリと覆い、外の寒さ(暑さ)をシャットアウトする技術です。
4. UA値(断熱性能)の目安は?
「断熱等級5」や「ZEH(ゼッチ)基準」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは家の断熱性能を示す一つの目安です。
もし担当者さんに聞くなら、「UA値(ユーエーち)はいくつですか?」と尋ねてみてください。 これは専門用語ですが、「家全体からどれくらい熱が逃げやすいか」を示す数値で、数字が小さいほど高性能(暖かい)です。
2025年から「断熱等級4(UA値0.87 ※東京などの場合)」が義務化されますが、正直これではまだ寒いです。暖かい家を目指すなら、最低でも「断熱等級6(UA値0.46)」を目指したいところです。私の経験で、直接お客様から聞いた話だと、
5. 足元の冷えを防ぐ「下部の断熱」
家の中で一番冷えやすいのが「床」です。 断熱には、床のすぐ裏側で断熱する「床断熱」と、家の土台(基礎)全体を断熱する「基礎断熱」があります。
どちらが良いかは工法によりますが、大切なのは「隙間なく施工されているか」です。床下の断熱が甘いと、そこから冷気が上がってきて、底冷えの原因になります。基礎断熱のほうが、床下空間も室内と同じ温度に近づくので、底冷えは感じにくい傾向がありますね。
暖かい家のキモ③:「気密」は家の隙間をなくすこと
「窓」と「断熱」にこだわっても、家全体に「隙間」だらけだったらどうでしょう? 暖かい空気はそこから全部逃げてしまい、寒い家になってしまいますよね。
この「家の隙間がどれだけ少ないか」を示すのが「気密(きみつ)」です。
6. C値(気密性能)は必ず測定してもらおう
気密性能は「C値(シーち)」という数値で表され、これも数字が小さいほど隙間が少ない(=暖かい)ことを意味します。
このC値は、計算では出せません。実際に建てた家で「気密測定」という専用の機械を使ったテストをしないと分からないんです。
昔はC値5.0という基準がありましたが、今は基準がありません。しかし、暖かい家を本気で目指すなら、C値0.5以下、を目指すべきです。
私が以前、木造建築の気密改善を担当した時も、現場の大工さんと協力して徹底的に隙間を埋め、C値を0.1まで高めた経験があります。これは本当に地道な作業ですが、このひと手間が、住んでからの「暖かさ」に直結するんです。
「気密測定はやっていますか?」と、ぜひ工務店さんに聞いてみてください。「やっていますよ」と即答してくれる会社は、信頼できる可能性が高いです。
暖かい家を「維持」する換気と空調のコツ
窓・断熱・気密がしっかりした「暖かい家(=魔法瓶)」が完成したら、最後はその中をどう快適に「維持」するかです。
7. 換気システムは「熱交換型」がおすすめ
今の家は気密性が高いので、24時間換気システムの設置が義務付けられています。 このとき、ただ外の冷たい空気をそのまま入れる「第三種換気」だと、せっかく暖めた室温が下がってしまいます。
おすすめは「第一種換気(熱交換型)」です。 これは、外の冷たい空気を取り込むときに、室内の暖かい空気の「熱」だけを移してから給気するシステム。室温をあまり下げずに新鮮な空気に入れ替えられるので、冬の快適さが段違いです。
8. エアコンは「つけっぱなし」が正解?
「電気代がもったいないから、エアコンはこまめに消す」という方も多いですが、高気密・高断熱の家(魔法瓶のような家)に限っては、「つけっぱなし」のほうが快適で、光熱費も安くなるケースが多いです。
一度暖まってしまえば、あとは最小限の力で温度をキープできるからです。こまめに消すと、冷え切った部屋を毎回フルパワーで暖め直すことになり、かえって電力を消費します。
9. 意外と重要!「加湿」で体感温度アップ
冬、空気が乾燥すると、同じ室温でも寒く感じます。 高性能な家は冬場に乾燥しやすいので、「加湿」がとても重要です。
湿度を適切(40〜60%)に保つと、体感温度が上がり、ウイルスの活動も抑えられます。もうすぐ産まれる我が子のためにも、私も加湿器はしっかり準備しようと思っています。 私自身、FP3級の資格も持っていますが、光熱費の節約だけでなく、こうした「健康への投資」も、豊かな暮らしには欠かせない視点ですね。
まとめ:暖かい家は「窓・断熱・気密」の合わせ技です
お疲れ様でした!「確実に暖かい家」にするためのポイントを振り返ってみましょう。
- 【窓】
- サッシは「オール樹脂」か「ハイブリッド」を選ぶ
- ガラスは「Low-Eペア」を基本に、大きな窓は「トリプルガラス」も検討する
- 窓はむやみに増やさず、配置を工夫する
- 【断熱】 4. UA値は「0.46(等級6)」以下を目指す 5. 「下部の断熱」が隙間なく施工されているか確認
- 【気密】 6. C値は「0.5以下」を目指し、必ず気密測定をしてもらう
- 【設備・工夫】 7. 換気は「第一種換気(熱交換型)」 8. エアコンは「つけっぱなし」運転が効率的 9. 「加湿」で体感温度と湿度をコントロールする
たくさんあって大変そうに見えますが、これらは全て「熱を逃げさない」「冷気を入れない」という同じ目的のための「合わせ技」です。
あなたの家づくりが、家族みんなが笑顔で過ごせる、本当に暖かい「我が家」になることを心から願っています。
まずは、気になった工務店やハウスメーカーの担当者さんに、「標準のサッシとガラスの種類は何ですか? UA値とC値の目標はどれくらいですか?」と聞いてみることから始めてみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
